The 10th Anniversary Special Contents

地域の宝として。

神代修/
トランペット奏者・‘なぎさブラスゾリステン’主宰

2015.09.29 UP

2005年、逗子文化プラザホールの開館を契機として、国内トップの金管・打楽器奏者たち11人が逗子に集結して誕生したアンサンブル‘なぎさブラスゾリステン(以下、なぎさブラス)’。誰もが憧れを抱く、錚々たる顔ぶれが一堂に会して響かせる至高のアンサンブルと、遊び心にあふれた笑いの絶えないステージは、地元逗子のファンのみならず、全国的に注目を集めています。ソロやオーケストラなど超多忙なメンバーたちがオリジナルメンバーのまま変わることなく毎年1回の公演を継続して10年。この文字通り“ドリームチーム”のさらなる未来への期待に胸を膨らませながら、主宰者である逗子在住のトランペット奏者、神代修氏にお話をお伺いしました。

おかげさまで開館10周年を迎えることができました。

神代氏:逗子文化プラザホール開館10周年おめでとうございます。このホールができる前、新しい施設を建てる計画があるという段階で、どのようなものを作るべきか、音楽関係者を集めて意見を聞きたいという場があって私も参加したことを思い出します。当時既に横須賀や鎌倉には大きな劇場/ホールがあるという状況でしたが、逗子では色んな意味でちょうど良い施設、駅にも近くて、ホール音響が良くて、何より使い勝手が良くて…という素晴らしいホールが、もう思い描いた通りにできて良かったと私は思っています。なぎさホールとさざなみホール、それぞれ個性があるでしょう? なぎさホールの優れた音響は自分やなぎさブラスの“基準”のひとつだと思っていますし、色々な使い方ができるさざなみホールも、その稼働率の高さが物語っているでしょう。逗子にとっては“宝”と言って過言ではない施設だと思っています。

なぎさブラスも誕生して10年になります。

神代氏:なぎさブラスはオープニングイヤー記念事業実行委員会の方との話の中で構想し、実現に至りました。自分は何かやるなら日本一のブラスをやりたいという思いがあって、それで核になるメンバーに声をかけるところから始まりました。先行して存在する同規模の金管アンサンブルと異なるのは、ホルンが2本入ることで得られるバランスと、打楽器の存在。そのままフルオーケストラから抜き出したような編成で、打楽器も加わればこれはもう相当色々なことができると確信していました。結成時のメンバーで変わらずに10年間続いている、これは一言で言えば奇跡ですね。皆、今本当に忙しく、引っ張りだこですから、全員が揃うだけでもすごい。それから、このグループはとても民主的で、これも長く続いている大きな理由でしょう。普段、日程調整だとか、大筋の方向性については自分が音頭をとりますが、後のことはメンバーそれぞれがアイデアを持っていてディスカッションして決めている。特に結成当初は、今よりも多少時間があったから、その雰囲気が定着したかな。そうやって同じメンバーでひとつひとつ公演を重ねてきました。

今年のコンサートの抱負は。

神代氏:なぎさブラスの特徴である、幅広いジャンルの音楽をぜひ楽しんでいただきたいと思います。御馴染み、和田薫さんの書き下ろしの新曲の初演、それから当然(!)のことながら、コンサートの“第三部”とも言える、プログラム本編後に何があるか、これも例年通りの期待にお応えします。開館して5年、そして10年、あっという間でしたね。強調したいのは、メンバー全員がこの年に1回の逗子公演を心から楽しみにしてくれていること。これが本当に嬉しい。舞台の我々が楽しみながら演奏している様子を観て、客席でもさらに楽しい気持ちで心満たされるのだと、とあるお客様におっしゃっていただいたのですが、舞台と客席が一体になれる瞬間は、演奏する側にとっても貴重なもの。それを毎回実感できるのがなぎさブラスのコンサートなんです。

ホールに期待されることについてお聞かせいただけますか。

神代氏:なぎさブラスで言えば、ホールと奏者と市民が協力するという結成当初の理念通りに活動できていると思います。今後もしも、例えば何日かかけて、リハーサル、講習会、公演も2ステージに増えて、“なぎさブラス週間”のような企画ができたらいいですね。結成5周年にCDを制作したあの頃のエネルギーをふたたび奮い起こして、また録音をしたい気持ちもあります。 ホールとしては、市民の拠点、人と人のつながりのキーポイントなるような存在になっていただきたいです。逗子には音楽家はもちろん、素晴らしい文化の担い手たちが大勢います。そうしたつながりを作って、タイムリーに発信する基地として、現状に満足することなく、攻めの姿勢でいて欲しいですね。

(聞き手:逗子文化プラザホール)

神代修(中央)/なぎさブラスゾリステン

神代修(中央)/なぎさブラスゾリステン

1987年日本管打楽器コンクール第1位。1988年日本音楽コンクール第2位(1位なし)。松下賞受賞。1990年東京フィルハーモニー交響楽団入団('96年まで副首席奏者)。東京藝術大学卒業。1994年プラハの春国際音楽コンクール特別賞受賞。ウィーン留学を経てソロ、室内楽でも幅広い活動を開始する。2004年文化庁在外研修特別派遣にて、再渡欧、時代楽器の奏法の習得及び資料等の収集を行う。現在、大阪教育大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、大阪音楽大学非常勤講師。関西トランペット協会理事。ラ・トロンバの会、T-Bros.、七吹神喇叭倶楽部(しちふくじんらっぱくらぶ)主宰。2005年、なぎさブラスゾリステンを結成。メンバーはトランペット:神代修・高橋敦(東京都交響楽団首席)・田中敏雄(読売日本交響楽団)・服部孝也(新日本フィルハーモニー交響楽団首席)、ホルン:阿部麿(サイトウ・キネン・オーケストラ)・吉永雅人(新日本フィルハーモニー交響楽団首席)、トロンボーン:池上 亘(NHK交響楽団)・倉田 寛(愛知県立芸術大学准教授)・篠崎卓美(読売日本交響楽団)、テューバ:池田幸広(NHK交響楽団)、打楽器:竹島悟史(NHK交響楽団)。

記念インタビュー/トピックス