The 10th Anniversary Special Contents

顔が見える街、逗子

山本省三/絵本作家

2016.03.25 UP

2015年度もいよいよ終幕の時を迎えています。逗子文化プラザホール開館10周年記念インタヴューの最終回として、逗子在住の絵本作家、山本省三さんにお話を伺いました。逗子に住んで今年で26年になる山本さんは、一昨年、昨年のホール主催事業「絵本作家・山本省三さんと絵本を作ろう」という大人気の手づくり絵本講座の講師として、またこの3月末に開催される「第10回逗子こどもフェスティバル」の実行委員長としてもホールと深い関わりを持っています。長きにわたり逗子の街並みの変化や文化活動を見守ってきた山本さんの声をお届けいたします。

ホールとの関わりについて。

山本氏:開館10周年おめでとうございます。ホールは開館そのものには関わってはいませんが、当初から催し物を観たりして、利用者として、逗子に良い施設ができたことをとても喜んでいました。オープンの年から継続的に「こどもフェスティバル」という市民による企画の事業が行われていましたが、2009年に行われた「夏休みこどもフェスティバル」で私も初めて企画に参加しました。「キッズブックライブ」というもので、作家が自作を読み、演じ、歌うというものでした。読み聞かせ&オペレッタというような趣で、生声で歌うという普段やらないようなこともしましたので、とても印象に残っています。さざなみホールで、照明などの演出効果もあって、評判が良かったんですよ。それ以来「子どもフェスティバル」には毎回参画しています。今年は第10回目となり、一つの節目を迎えます。実行委員長として皆様のご来場をお待ちしています。

第10回子どもフェスティバルの詳細:http://kodomo-fes.org/

逗子の街について。

山本氏:逗子には1990年から住んでいます。横須賀の田浦が地元でしたが、結婚を機に「海のそばに住みたい」という妻の希望もあって逗子に住むようになったんです。文字通り海沿いに先ずは住んだのですが、しばらくして市内で引越しをしています。当時はまだ逗子が保養地とかリゾート地として実際に機能もしていたように思いますが、今はそういった大きなお屋敷や施設ももうあまりなく、海沿いも一戸建ての住居が並んでいますよね。商店街も随分変わったように思います。逗子も都心部への通勤圏の素敵な街として捉えられてきて、そういう意味では時代にうまく対応しているような気もします。逗子が良い、という若い人たちもだんだん増えてきていますし、このままいけば少し(平均)年齢も下がってくるのかなと思います。一方で鎌倉のようないわゆる観光地っぽくなりきっていないところが私は良いと思っているんです。夏はもちろん例外だとしても、普段はやっぱり静かに落ち着いて暮らせる街であって欲しいです。

逗子の魅力。

山本氏:一言で言うと「顔が見える街」。街自体がそれほど広大ではなくコンパクトにまとまっているというのもありますが、人と人とのネットワークがかなり緊密に保てるような気がします。一度会った人にすぐ再会して話題が弾むようなこともしばしばありますし、そうすればまた関係が続いていきますからね。そうやっていろんな場所で知っている人と会えると、文化的な近所づきあいをしている感覚になります。そういう人間関係で、また何か新しいことが始まっていく、あるいはそういう潜在的力を秘めているのが、逗子の魅力につながっていると思います。

今後のホールに期待すること。

山本氏:ホールにとって利用者が「隣人」であるように、人のネットワークが生み出す何かを文化拠点として今後も発信していって欲しいですね。他の地域にはない、逗子だから実現できる、あっと驚くようなコラボレーションの形があると思います。逗子にはたくさんのアーティストがいますし、異なったジャンルでひとつのステージを創るような企画がこの逗子文化プラザホールで生まれると楽しいと思います。

(聞き手:逗子文化プラザホール)

山本省三

山本省三

絵本作家。大学で児童心理学を学んだ後、広告制作を経て、児童書の創作に入る。文とイラストレーションの両方を手掛け、作品に「おふろでぽっかぽか」(講談社)、「ゆうれいたんていドロヒュー」シリーズ(フレーベル館)などがある。一般社団法人日本児童文芸家協会会員。

山本省三 公式ホームページ
http://yamamotoshozo.jp/

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