★イベントレポート「宮本笑里10周年記念リサイタルツアー2017~2018“amour”」2018年1月14日(日)開催(2018年04月10日)

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当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

 

例えば、オーケストラ用に書かれた曲をピアノ1台で弾く。1台の楽器用に作られた曲を複数の楽器で演奏する。様々に“編曲(アレンジ)”された音楽を、無数の人々が時代を超えて聴いてきた。本リサイタルは、そんな編曲の妙技を存分に味わえるステージである。

開演14時。ヴァイオリニスト宮本笑里氏、チェリスト金子鈴太郎氏、そして今回の演奏曲のほとんどを編曲した、作曲家でピアニストの加藤昌則氏が登場。1曲目の《カノン》の曲調と演奏は明るく穏やかで、新年の幕開けにふさわしく希望を感じさせるものだった。

プログラムには、クラシックからJポップまで、幅広いジャンルから有名な曲が並んでいる。聞き覚えのある名曲たちが、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの協演によってどう生まれ変わるかが聴きどころ。3台の楽器が調和し、美しく絡み合ったかと思えば、迫力で圧倒する瞬間もある。《カノン》、続く《風笛》《flower》もそのアレンジテクニックが素晴らしい。3台の楽器が互いを生かし合っている。艶やかに伸びるヴァイオリンをメインにしつつ、時にチェロやピアノがリードして、魅惑の音色を響かせる。また、タンゴの名曲《ジェラシー》では力強いピアノと伸びやかなチェロが、ヴァイオリンが紡ぎ出すメロディーを美しく支えた。最も心に沁みたのは、カッチーニの《アヴェ・マリア》。ヴァイオリンをピアノの甘美な音色が包み込み、聖なる旋律を切なくうたう。まるで現代曲のようにロマンチックだったのは、アレンジの魔法によるもの。

曲と曲の合間に演奏者たちのトークが挟み込まれ、楽曲のエピソードや、彼らと逗子・葉山の関わりなどが語られた。ふんわりとした声で穏やかに話す宮本氏。サービス精神たっぷりにジョークを交え、おどけてみせる金子氏と加藤氏。観客たちも大笑い。

アンコールは2曲。《カヴァレリア・ルスティカーナより“間奏曲”》。優しく深く大きな美しいこの曲は、もっと聴いていたいと思わせた。ラストは《チャルダッシュ》で華やかに終了。激しい曲も盛り込まれていたが、全体的に優しい雰囲気のリサイタル。演奏に対して幾度も喝采が起き、あっという間に時間が過ぎた。

公演後、宮本氏のサイン会には、CDを持ったファンたちが長蛇の列を作っていた。氏の人気の高さを改めて感じると共に、明るい笑顔で応じる姿が印象的だった。

ボランティアライター 青栁有美

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新春早々、逗子文化プラザホールに宮本笑里の演奏会を聴きに行ってきました。宮本笑里といえば、今をときめく若手ヴァイオリニストの1人、そして美貌!その位のイメージしかもっていなかったのですが、演奏がはじまった途端全ての先入観が覆されました。その衝撃の演奏を拙い文章ですが紹介します。

開場するとすぐに、殆どの客席が埋まってしまうくらい会場内の雰囲気も熱気にあふれていますが、いよいよ開演です。宮本笑里はシックな緑のドレスで、共演の金子鈴太郎(チェロ)、加藤昌則(ピアノ)と共に登場し、1曲目の≪カノン≫が始まります。誰もこの時点ではこの3人が音のバトルを繰り広げるとは思っていなかったでしょう。僕にとって前半の山場は、≪風笛≫、≪flower≫となりました。特に、≪風笛≫は父君の宮本文昭の代表曲でもあります。この名曲を父娘の2代に渡って磨き上げられた音で聴かせてもらった時正直「うるっ」とくるものがありました。曲間のMCでは宮本笑里が「マーロウ」のプリンの話もだしてきたり、イメージ通りの可愛い雰囲気が漂っていましたが、音に関しては、徐々に凄味が増して会場内の全てのお客さんが惹きつけられていきます。第1部はどちらかというとゆったりとした曲が多く、噛みしめながら聴くことができたのですが、ひとつひとつの音に込められたテクニックが凄い、凄い。それを3人が交互に、そしてひとつのハーモニーとして聴かせてくれるのです。演奏テクニックと楽曲アレンジの高さがそろってできる技だなと感心しつつ、ヴィヴァルディの≪四季より“冬”≫で終了です。

第2部は≪無伴奏ヴァイオリンソナタ≫で開始しました。会場内は音に立ち向かわなければいけない緊張感がでてきました。2曲目の≪やさしさで溢れるように≫で一瞬和らいだ雰囲気になったものの、譜面にない音合戦の様相を呈してきました。ロックコンサートでもなかなかお目にかかれないような、遊びを遊びとしないテクニックの応酬を見せつけられ、今日はジャンルを超えた演奏を聴かせたかったのだとやっと気づかされました。一人の演奏家としてでなくバンド(=トリオ)としても化学反応が起こりまくりの時間を魅せてくれ、アンコールも含めおだやかにそしてステージいっぱい暴れまくって(!)終了です。握手会を待つ長蛇の列ができている会場を見ながら、≪風笛≫を噛みしめ家路の途につきました。何年何世代に渡って受け継がれる音とまた再会したいと思いつつ。改めて、いい演奏会でした。

ボランティアライター 河島三二

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すこしだけ長めの音合わせで始まった演奏会。穏やかなスタートかと思いきや≪カノン≫はアップテンポで新鮮。力強くもありました。演奏を終え、マイクを手にした笑里さんの第一声「こんにちは。」は、つられて上品にお返事したくなるようなご挨拶なのでした。逗子にはドライブでいらっしゃるそうで、あのプリンのお話も。それから≪flower≫という曲は、お母様がお庭で育てていらした苺などの成長や花ひらく様子をイメージして作られた曲だというお話も。「デビューから10年、その瞬間瞬間を走ってきました。」本当にその言葉どおりの10年だったのだろうと思えました。

とても嬉しかったのは、≪アヴェ・マリア≫を聴けたことでした。アンコールでマスカーニが流れてきたときの感動はひとしおでした。プログラムには、もともとは歌詞のある曲が数曲あって、笑里さんが「心の中で歌ってもらえたら嬉しいです。」とおっしゃっていたので心おきなく熱唱。歌詞のある曲を弾くときの笑里さんは歌うように演奏する感じ。弦に言葉を乗せてくる感じです。≪アヴェ・マリア≫(カッチーニ)はこのステージで最も引力がありました。なんだかJazzっぽいなと思っていたら、元の曲がわからないくらいの掛け合いだったそうです。チェロの金子さんのお話によると、リハーサルでは楽譜の通りにやるけれど、ステージでは何が起こるかわからなくて、ピアノの加藤さんとお互いの音を受けては返しまた受けて・・・それでニヤニヤしながらの演奏になったとのことでした。本当に楽しそうに演奏されていて、すごくいいシーンでした。金子さんが、旋律がどんどん上がっていくようなところを重厚に弾かれたのが印象的で、弓捌きもダイナミックで素敵でした。

後半は、ロマ音楽とその影響を受けたクラシックと括りたくなるような曲がソウルフルに響きました。スペイン、デンマーク、ドイツ、イタリアなどの作曲家による曲が次々と演奏され、あちらこちらを旅するような気分を味わうことができました。

笑里さんの気持ちよくのんびりしたMCにリラックスしながらも、たくさんの刺激をいただきました。まだまだお伝えしたいことがいくつもありますが、それはまた。

ボランティアライター 深谷香

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