★イベントレポート「国本武春の浪曲図鑑」2015年6月27日開催

20150726183158_0012015年度から活動を開始した

当ホールの情報発信ボランティアの方によるレポートです。

イベントの雰囲気や感想をみなさまに発信する活動をしています。

 

国本武春の浪曲図鑑をみて
 
開演30分前なぎさホールにはすでに大勢の武春ファン?が入場を待っている。
私は正直、国本武春さんを知らなかった。 
今回リポートを依頼され、浪曲といえば、昔、子どもの頃ちょっと耳にした浪曲の広沢虎造を思い出す程度しか知識もなく会場に入る。
 
やはり私と同世代のシニアが多い。
会場には400人位だろうか。
見たところ意外とげんきそうな観客である。
 
ブザー、アナウンスがあり拍手と同時に観客から「いよっ。まってました。」の声。
三味線がなる。1937年生まれという品のいい曲師、沢村豊子さんである。
音締めの良さと技術は浪曲界随一、といわれている三味線のさばきが心地いい。
 
演壇に浪曲師、国本武春さん登場で会場の雰囲気もあつくなる。
私はちょっとさめた感じで観客をみていた。
 
最初の演目は「原敬の友情」。
明治大正を駆け抜け平民宰相といわれた「政治家・原敬」の熱い友情物語である。 
国本武春さんの口演は、はりのあるしっかりしたトーンで客席中央はじにいた私にもよく聞こえる。
ストーリーを語るだけと思っていたが、おもしろおかしく観客を引き寄せる。
なるほど・・・・・。これはたのしめそうだ。
 
二番目の出しものは「瞼の母」。 
5分足らずの短い内容だが実はこの演目を題材にして掛け声教室をやろうというのだ。
 
舞台上から、なにやら箇条がきに掛け声の種類が10は書かれていたろうか、横ながの垂れ幕が降りてきた。
 
つまり、この「瞼の母」で、観客がどこでどのように掛け声を入れるかの体験学習教室である。
浪曲は観客と一体になってさらに盛り上がる。
 
武春さんが「瞼の母」で掛け声のお手本みせたり、観客に実際、掛け声の練習をさせたりで計4回ほど「瞼の母」をくりかえす。
これがまた大爆笑の連続。
武春さん曰く、「こんな短い時間に浪曲をこれ程理解できるなんて・・・」。大爆笑。
この時点で私も浪曲というか国本武春さんのとりこになっていた。
久しぶりに心底おかしかった。
 
三番目の出し物は「英国密航」
 
初代内閣総理大臣伊藤博文若き日の冒険談。
江戸時代の末仲間の長州藩士4人と鎖国の禁を破り横浜から英国ロンドンまで密航するという面白さとわくわく感あふれる物語。
 
客席からは掛け声トレーニングの成果か、「まってました」「名調子」「大統領」ほか次々とタイミングよく?掛け声がとぶ。
 
掛け声は、武春さん曰く、「つよく、こまかく、はぎれよく。」・・・だそうで、この掛け声を掛けたくて見に来る人もあるわけだ。
 
1時間半の口演、「まずこれまで。」で退場。拍手なりやまず再登場。
武春一言「もっと聞きたい方は入り口でCDを・・・。」
CD販売コーナーではCDを買ったファンが武春のサインをもとめ順番をまっていた。
 
翌日、日曜日早朝NHKで「国本武春の演芸図鑑」で再びみられた。
情報発信ボランティア 大塚 登