イベントレポート 「和太鼓グループ彩-sai- 逗子公演 Vol.3 この世を目覚めさせる音。」2021年10月9日(土)開催

ホール主催の催しの感想や雰囲気をみなさまに発信する活動をしている“情報発信ボランティアライター”の方によるレポートをお届けいたします。

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 私が聴いていた、お祭りの時の太鼓や会社が決算期に行う販売決起大会での和太鼓のサウンドと全く違う。今日の演奏は和太鼓のイメージを激変させた。圧倒的な迫力ある太鼓の演奏は、頭から足先まで、とくに臍下丹田に響きわたった。
奏者の舞台での動きや華麗なバチさばきなどは、美しくかっこいい。別世界に引き込まれるように、のりのりになる楽しさだ。演奏途中には三々七拍子で舞台と客席と一体化し、一段とホールが盛り上がる。奏者は2005年、東京大学で結成された和太鼓グループ彩-sai-。公演のテーマは「この世を目覚めさせる音。」。同グループは、2019年ラグビーワールドカップ日本大会選手入場演奏他、多方面で活躍している。逗子で演奏するのは、3回目。今年も地元「逗子開成高等学校 和太鼓部」とコラボレーション。逗子文化プラザなぎさホールの客席は老若男女で満席だ。
 2021年の今年は、東日本大震災から丁度10年目。1910年逗子開成中学ボート部員12名が七里ヶ浜沖で遭難したことを悼み鎌倉女学院の先生が作った曲「真白き富士の嶺・・・」と歌われる美しい曲でも知られた逗子開成学園。不思議な縁を感じる。和太鼓の華やかな響きは、私たちの心の中に、多くの被災した人たちへの鎮魂のメッセージとも感じた。
 日本、いや世界は先が見えない未知の感染症と闘っている。この時期、逗子文化プラザホールが彩の公演を決めてくれたのは、和太鼓演奏の楽しさとともに、スピリチュアルなことではないが、日本古来よりあった神事で太鼓を叩く、厄災退散のメッセージとも受け取れ、勇気を貰った。まさに「この世を目覚めさせる音。」だ。
 来年、2022年2月5日(土)に「和太鼓グループ彩-sai-」がまた逗子文化プラザホールで公演をするそうだ。次回は趣を少し変えて、和太鼓グループ彩-sai-が中心となり、アカペラグループINSPiやフラメンコギターの東川翼氏とコラボレーションし、公演中にはワークショップも行うそうだ。2月には、感染症も収束のめどがたち、彼らの迫力あり楽しい演奏を聴きに行きたいものだ。   

ボランティアライター 海原弘之

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 壇上アーチストのパフォーマンスは、会場全体を圧倒・魅了した。経験のない「新しい舞台ミュージック・アート」でした。
 聴衆の老若男女を問わず、ドラムサウンドとその編隊に、ドキっと目覚めさせられました。それはこの演奏会のコンセプトでしたので、この公演が大成功に終わりましたことを、始めに報告をさせて頂きます。
 また、ホールでは、コロナ禍での主催公演の開催に、安心と安全のために万全を心掛け、新しい公演のルールと進行に努めておられました。それは、新しい舞台芸術観賞の布石に繋がると思われる誠実なホール運営でした。
 さて、プログラムは休憩15分を挟んだ2部構成、各部は1時間です。和太鼓が時計のように時を刻み、舞台・楽曲は進行しました。
 一つ私が「イリュージョン」のように思えて感動しましたのは、壇上の奏者の数と和太鼓の数の不一致でした。左右対称整列から、様々な編成部隊に素早く変化し、「今このサウンドは、何人・幾つの太鼓で?」の計算に、私はお手上げでした。諦めて、というより、数える時間が無駄に想えましたので、楽曲の観賞に専念いたしました。
 強烈な和太鼓のサウンドは、コロナ禍で刺激を求めていた聴衆皆に共感したかのようでした。聴衆の皆が楽しみ、スタンディング・オベーションで伝えていました。
 末筆ながら、この度の演奏会は、「アーチスト」、「主催者」、そして「聴衆」の皆が、それぞれの役割を誠実に果たした「賜りもの」で、公演が成功へ繋がったと思料されます。皆様へ「敬意・敬い」、と「謝意・感謝(ありがとうございます)」の言葉を記し、捧げさせて頂いて「レポート」とさせて頂きます。皆が求めるリーズナブルで大変インパクトの強い、素敵な公演でした。

ボランティアライター 長坂祐司

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 10月になってもいまだに夏の暑さが残る土曜日の昼下がり、なぎさホールに向かう。和太鼓のコンサートは初めての体験だ。結成されて16年になる和太鼓グループ彩-sai-に地元逗子開成高等学校 和太鼓部のメンバーを加えた共演イベントだ。逗子駅からなぎさホールへ向かうと、何となく人の波を感じる。
 どんどどん、タタタタどんどん、ピーヒャラピーヒャラピーヒャララ。太鼓、笛の音色に加えて、腹の底から出る魂の声がこのオーケストラの楽器、いや武器だ。
 大中小の太鼓、笛、チャッパのアンサンブルでオーケストラなみの迫力。聴いているほうも最初からテンションが上がっている。観客の層は幅広く、老若男女のバランスが良く年代にも偏りがない。
 前半のプログラムでは、“塞翁が馬(さいおうがうま)”の迫力が半端ない。ドラマー全員が自分の内面に込めた想いを発散するように吹き、叫び、叩いている。
 後半の演奏は、逗子開成高等学校とのコラボ演奏で“祭宴(さいえん)”から始まる。総勢30名を超える打手による演奏は圧巻の迫力だ。おっと!太鼓のバチが飛んできた。前から3列目の席なので足元に転がった。拾ってステージに返してあげた。にこやかに会釈してくれた。
 プログラム最後の曲は、“奏(かなで) ”。ちょっともの悲しげな笛の音色がバックの夕焼け色に映える。どこかそこら辺にある小さな神社の秋祭りで、過ぎ去った夏を惜しむように佇んでいる自分がいる。
 幕が降りたのでもうステージが終わったと思って腰を上げようとしたら、意外にもアンコールに応えてくれた。ありがたや。“踊る海鳴り”。昨年のコンサートで披露されたオリジナル曲だそうだ。全員参加の大迫力。これでもかこれでもかと叩き叫び続ける姿は、鬼気迫る迫力だ。
 コロナ禍で腹の中に鬱積していたモヤモヤを太鼓の迫力で全部叩き出してくれた。ああスッキリした。
 彩は、来年2月にもまた逗子にやってきてくれるそうだ。アカペラ、フラメンコギターとの共演だ。チケットが売り切れないうちにGetしようっと!

ボランティアライター 福岡伸行

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