イベントレポート 「0才からのコンサート ビバ!!パーカッション」2023年12月16日(土)開催

ホール主催の催しの感想や雰囲気をみなさまに発信する活動をしている“情報発信ボランティアライター”の方によるレポートをお届けいたします

*************************************************

 小さなこどもたちが主役のコンサート。と言っても、演奏するのは大人の女性4名。ユニット名はMallet Garden(マレット・ガーデン)。マリンバなどの鍵盤楽器を中心とした打楽器にピアノを加えた打楽器演奏カルテットです。0才児から入場できる、泣いてしまったら演奏中でも外に出てOKというルール。小さいうちから、プロが演奏する生の楽器の音を、自由に浴びることができるという、何とも贅沢な場です。普段は周りに気を遣いがちなお父さん、お母さんたちも気が楽です。
 1曲目は、バレエの有名な曲≪剣の舞≫。いきなりマリンバ、ビブラフォンなど鍵盤の速弾き、マレットの早打ちで、目面と耳をつかまれます。前の席のお父さんに抱かれていた0才くらいの男の子が、ぴくっと舞台に首を回し、丸く見開いた目で演奏に釘付けです。続いて、大人は思わずほほえんでしまう『キューピー3分クッキング』と『今日の料理』の料理番組テーマ曲の二本立て。早くも、そこかしこで泣き出すこどもたち。立ち上がってあやし始める大人たち。客席を応援するようにニコニコとマレット・ガーデンの4人は演奏を続けます。
 曲の合間に楽器の紹介。グロッケンで『ハリー・ポッター』の印象的なテーマ曲が流れると、斜め前のお姉ちゃんの目がキラキラと輝きました。哀愁たっぷりの≪チャルダッシュ≫では、前の席の赤ちゃんはまどろみ始め、≪きよしこの夜≫になると寝落ちした様子。一転して“パーカッションシークエンス”では、合わせシンバル、トムトム、バスドラム、スネアドラムからリズムがあふれ出し、横の小学生の姉弟は、お母さんと席で踊り始めました。席のあちこちでもぐら叩きのように、誰かが立ち上がり、外から戻ってきた親子が席に着きます。通路の階段を這い這いする男の子を、つかまえるお母さんもいます。音楽をバックにこどもたちが解き放たれたような、そんな時間となりました。客席参加コーナーでは皆で立ち上がって、リズムに合わせて振付をしたり、身体を使って音を出したり、エネルギーが客席に充満しました。
 ≪アナ雪≫≪ディズニーメドレー≫≪そりすべり≫≪ティコティコ≫(ラテン!)、最後に≪ジングルベル≫と、盛りだくさんの1時間。皆、笑って席を立っていました。盛り上げ役に徹した、マレット・ガーデンの皆さん。技術はもちろんですが、軽快な身のこなしと、笑顔からこぼれる白い歯、素敵でした。

ボランティアライター 三浦俊哉

*************************************************

 

一覧へ戻る