ホール主催の催しの感想や雰囲気をみなさまに発信する活動をしている“情報発信ボランティアライター”の方によるレポートをお届けいたします。
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星空を見上げると、人は無口になります。とても気持ちが落ち着き、何だか癒され、夢見心地に浸れます。秋から冬にかけての夜空には、特にそんな効力があるように感じます。星や月を眺めながら、名曲やお話を聴く・・・なんともロマンティックなコンサートが、さざなみホールという小宇宙で開かれました。
ステージの背景には、大きな満月が映し出され、グランドピアノの前に座るのは、ピアノ、ヴォーカルのKOSEI氏。銀髪の貴公子、星の王子様といった佇まいで、落ち着いた口調が夜空との親和性を高めます。C.ドビュッシー《月の光》の演奏でしっとりと始まり、H.マンシーニ《ムーン・リバー》、ジャズのスタンダード・ナンバー《Fly Me to the Moon》と、月にまつわる曲にのせた優しいヴォーカルが胸に沁みました。そして絢香《三日月》。反則ともいえる泣かせどころ満載の選曲です。男声の静かな高音が、こんなにも涙腺を刺激するとは・・・。不覚にも老体の目頭がジーンと熱くなりました。
コンサート半ばより、日本でただ一人のプラネタリウム・プランナー、かわいじゅんこ氏がステージに登場。秋の4つの有名な星を順番にスクリーンに映しながら、KOSEI氏の演奏をバックに、物語を披露します。1つ目は、秋の星座の1等星で「秋の一つ星」、みなみのうお座“フォーマルハウト”の紹介。2つ目は「土星」。有名な環が、地球との位置関係で、ほとんど見えなくなる日があるという「土星の環の消失」のお話。3つ目は、「古代エチオピア王家にまつわる伝説」。可愛いアンドロメダ姫が、海の神ポセイドンの怒りを買って、あわや化けクジラの生贄に。そこへメドゥーサの首を持ったペルセウスがペガサスに乗って現れ、見事に姫を助けるというハッピーエンド。秋の星座の、まさしく“スター”たちが夜空に総登場しました。4つ目は「木星」。11月の深夜から現れる、2番目に明るい星。秋には明るい星が少ないそうで、夜空の主役は月。秋は食も“月見〇〇”が増えるのは納得です。
最後はKOSEI氏がオリジナル曲《明日の風》を流星のような力強さで熱唱し、目が覚めました。そして1時間のコンサートのほとんどの時間が夢見心地だったことに気が付きました。秋の夜空の効力とは、実は“夢先案内人”でもある、かわいじゅんこ氏が、ひそかにかけた魔法だったのかもしれません。
ボランティアライター 三浦俊哉
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星や月の画像を見ながら、音楽やトークを楽しむイベント。1時間ながら盛りだくさんな内容だった。
中でも圧巻だったのは、ピアノ兼ボーカルのKOSEI氏の演奏。こんなに心地良くロマンチックに感じたC.ドビュッシーの『月の光』は初めてだ。ゆったりとして美しく繊細、心癒やされる音色とテクニック。目の前のスクリーンに浮かぶ丸い月を見ながら極上の幸福感を味わった。曲は映画「ティファニーで朝食を」の主題歌『ムーン・リバー』へと移っていく。髪をアップにして黒いドレスを着たオードリー・ヘップバーンのチャーミングな姿、ギターを弾きながら、窓辺で本曲を歌うシーン等々、名場面が次々と思い出される。暗い夜空に浮かぶ球体は様々な想像をかきたて、どこまでもその物語は広がっていく。冒険、好奇心、夢etc・・・。ピアノを聴きながら月は次々とイメージを変え、私たちの高揚感を刺激する。ジャズのスタンダード・ナンバー『Fly me to the moon』では、大人の恋をしたときも孤独なときも、まるで月がいつも心に寄り添っていてくれるような気がした。月を見ながらの締めくくりはシンガーソングライター絢香のヒット曲『三日月』。ピアノにヴォーカルが入り、愛する人を思う気持ちを情感たっぷりに歌い上げたのも見事だった。
日本でただ一人のプラネタリウム・プランナーかわいじゅんこ氏が、星・月・地球といろいろな宙(そら)を語ってくれた。KOSEI氏も加わり、自身の子ども時代やウィーンに留学していた高校時代の星の思い出を披露した。
逗子の今宵の夜空がスクリーンに登場したり、秋の星座の神話・エチオピア王家の物語が語られたり・・・。次々と変わっていく星の画像を見ながら、KOSEI氏が弾いたBGM『When you wish upon a star(星に願いを)』や『見上げてごらん夜の星を』等と共に楽しんだ。
KOSEI氏のピアノは星の画と美しくリンクする。F.リストの『愛の夢』も引き込まれるように聴いた。
星も月も、様々な曲に形を変えて数多くの音楽を彩ってきた。人間を魅了し続けてきた特別な存在。科学的な説明もなされたが、やはりロマンチックな気分で夜空を見上げたい。
ボランティアライター 青栁有美
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