イベントレポート 「和太鼓グループ彩 -sai- 逗子公演 Vol.7 -打ち寄せる音、渚の吉日-」2026年1月17日(土)開催

ホール主催の催しの感想や雰囲気をみなさまに発信する活動をしている“情報発信ボランティアライター”の方によるレポートをお届けいたします

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 ファンキーな韓流スターのような多彩なルックスで鮮烈なイメージの彩。そして、今回も逗子開成高等学校和太鼓部との共演なので女性ファンや父兄が多いだろうと思ったところ、想像よりも年配の方々も多く、ほぼ満席。久々に聴くが、さて、どんな進化を遂げているか?
 のっけからホール全体に響き渡る若々しい「甚句(じんく)」調の歌声で開演。軽快な篠笛の音にのって獅子舞が登場。スピード感あふれる太鼓の連打で、もう、体が自然と揺れてしまう。いつもの色とりどりの衣装と髪形で賑々しく「あけましておめでとうございます!」と、一気におめでたい気分が急上昇。しかも鍛え抜かれた全身を使った奏者たちが元気いっぱい、舞台ところ狭しと跳ねながら繰り出す迫力の打音が骨や内臓にビンビン響き、これがまたリハビリ的快感。ウオーターベッドも電気も必要ない(ああ、それでご年配の方々が、と思わず納得。)ああ、変わってない、高校の体育祭に紛れ込んだようなパワー一杯の「やんちゃ」な演奏に心も体も跳ね上がる。
 今回さらに感じたのは、特に小太鼓の音色。リズムの巧みさが、アフリカや南米の音楽のようなキレと明るさを持つことと、この現代的な多彩な色が、まさしく「彩」らしさの真骨頂か。和太鼓と言えば荒波に向かってストイックに繰り出すクールな音楽のイメージだが、彼らの和太鼓は煌びやかな色彩をまとい、まさしくアジアの音楽を感じさせる自由さ、伸びやかさがある。視覚的にも飽きさせず、交互に打ち合う早打ちや、大太鼓の軸のぶれない見事な連打、全速力で駆け抜けるサッカーの試合か体操の妙技を見ているかのようだ。歌舞伎を観るような華やかさは、とにかくいなせで、カッコいい!この活きのいい若いもんの太鼓を引っ提げて各国を回り「どんなもんだい!」と太鼓交流を繰り広げたら、「より日本の評判が世界で上がる」、「友情も深まる」のではと思わせる。
 後半の逗子開成。これも大あっぱれ。我が町で見かける少年たちが、こんなに見事な演奏をするとは、嬉しく誇らしい。礼儀正しさがまた実に清々しい。
 最後は、彩が加わって上手に客席まで巻き込み、一緒に大合奏。客席は大喜び。「お客様に喜びを」の精神が行き渡った楽しい新年コンサートで、何かいいことありそうな気分になった。素敵な年明けをありがとう!

ボランティアライター 不破理江

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 今年で7回目となる和太鼓グループ彩 -sai-(学生主体の和太鼓グループ彩 -sai- WiNGSも出演!)と逗子開成高等学校和太鼓部のコラボレーション公演。普通の音楽鑑賞とは趣が異なり、音が鼓膜や心臓を揺るがす、まさに体で感じる体験型コンサートなのです。
 今回発見したのは、和太鼓も様々な表情の音楽を奏でる楽器だということです。メンバーが口上を一節うなった後で始まった《花咲囃子》は、長胴太鼓に、篠笛、チャッパ(銅拍子)を交えて、最後は獅子舞も登場する、新年を祝うめでたい気分満載の一曲。続く《鬨-Toki》は、大太鼓を中心に8人が気合を込め、一糸乱れぬ速いテンポで叩く勇壮感溢れる曲。《桃源郷》は、肩から吊り下げた桶胴太鼓で、ゆったりと南国の楽園の雰囲気を醸します。《小次郎》は、篠笛や尺八が静謐と緊張感を演出する中、大太鼓、小太鼓が、儀式のような厳粛さを打ち出します。一転して《叶》は、11人が同じリズムで大小の長胴太鼓を力強く叩き続け、風景は日本海の荒波。急にバックの照明が赤く染まると、そこは太平洋の大海原。スケールの大きさを感じさせる曲です。会場に笛、太鼓を奏でる3人が現れた《宵に満つ》、そして前半最後の7曲目は《打ち寄せる音》。12名で繰り出す、乱打の迫力。戦い!突撃!いざ出陣!そんな見えない言葉が、激しい打撃音の合間から、演者たちの汗とともにほとばしりました。
 後半は、逗子開成高等学校和太鼓部が登場。和太鼓グループ彩 -sai-のカラフルな衣装とは対照的に、黒と白のモノトーンの法被に身を包み、1年生が《疾風迅雷》、2年生が《弾》を披露してくれました。1年生は風の荒々しさを、2年生は明るい楽しさを、まっすぐに衒いなく演奏してくれました。高校生はそれでいい。どちらも和太鼓の魅力をしっかり伝えてくれました。和太鼓部の3曲目は、同和太鼓部OBでもある和太鼓グループ彩 -sai- WiNGSの瀬能氏が作った新曲《みちしお》を2年生が演奏。これも、疾走感のある明るい曲で、彼らにぴったりでした。
 そして、再び和太鼓グループ彩 -sai-とWiNGSが登場し《まつりだ、まつりだ、おまつりだ~‼》。大きなうちわで扇ぎながら、祝祭感満載の心躍る大音量の一曲。そしてラストは彩 -sai-の原点ともいえる、最も古い曲《奏》。篠笛で静かに始まり、15人がそれぞれの笛、太鼓を重厚に演奏し、掛け声もなく、厳粛な締めとなりました。
 アンコールは打って変って全員登場で乱れ打ち!大漁旗を振って、会場の皆も右と左で交互に掛け声、「エンヤコーラ!」の大合唱! “7”に縁のある今日のこのコンサートはまさに吉日。いいことありそうな新年の始まりです。ちなみに私の席も「O列7番」でした。

ボランティアライター 三浦俊哉

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