★イベントレポート「若手演奏家シリーズ #7 弦の響き -弦楽四重奏×ピアノ-」2018年7月14日(土)開催(2018年09月16日)

海原様深谷様無題

 

 

 

 

 

 

 

 当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。 

 今日は大好きな室内楽のコンサート。ピアノを加えた流れるような弦楽四重奏。甘美な調べをのせた演奏を期待している自分がいる。

 ステージには、若い女性の演奏者たちが、威風華麗な姿で登場し、いっきにホールのすべてが華やいだ雰囲気になった。オープニング曲は、エルガー作曲の≪愛の挨拶Op.12≫。愛らしい曲調を爽やかにかつ美しく演奏する姿は、客席に彼女達(演奏者)の魅力を紹介するのに十分に答えるものだった。

 有名な演奏者などのコンサートでは、日頃馴染み深い曲や好きな演奏が続くことが珍しいのだが。次の曲は携帯の着メロにしているモーツァルトのセレナーデ第13番 ト短調≪アイネ・クライネ・ナハトムジーク≫K.525より第1楽章だ。ビジネストラブルの時の着メロはドキッ!とするが、今日はゆっくりと大好きな曲として堪能できた。

 客席をより楽しませる演出として考えていただいたのだろうか。吉濱綾伽氏の編曲による「日本の四季」、メンデルスゾーン作曲≪ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調Op.49≫より第1楽章、永井秀和氏編曲で私たちになじみのある映画音楽メドレーをはさんで休憩。最後は、既に著名であったピアニストのクララと結婚後に書いたシューマンの≪ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44≫を彼女たちらしく“みずみずしく”素敵に演奏してくれた。

 ホールが明るくなり、公演チラシのプロフィールを読むと、彼女たちは、全員北鎌倉女子学園で学んだそうだ。

 たまに、北鎌倉の山々(台峯の尾根など)を散策したくて急な坂道を登り、息を切らせて学園への横を通るが、女子学生たちは、軽やかに駆け上がっていく。今日のような素敵な音楽を生みだすには、精神力、体力、センスなどを音楽の神様がこの坂道(通学路)を通じて与えたのかもしれない。

 後日、台峯の頂上に立つと六国見山など北鎌倉の緑の山々の意志によって、弦楽四重演奏を空からふらしているような清々しい気持ちになれた。

 ボランティアライター 海原弘之

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 暑い日、さざなみホール・サロン音楽会は、愛の挨拶から始まりました。ステージからの「私たちの想いが、届いていますか?」というメッセージが告げられると、ホールからの暑中御見舞いのように優しげな「おもてなし」サウンドが会場に運ばれた。どのような?と尋ねられたら「とても素敵な若手演奏家シリーズの」と応えたい。ピアノ・ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ。楽器固有の色合い、演奏者ドレス共々エレガント。弦楽器アンサンブルによる「有り難いサウンド」から心地よい涼を教えられた皆の身体は涼み、プログラム後半ブランケット配布の心遣いに気持ちも暖まりました。

 楽曲は、瞑想的になるときがあり、情熱のほとばしるときもある。発展途中経過の若手音楽家に秘められた極上の情熱は、ときに悩める魂との格闘もありそうです。

 プログラム後半の「メンデルスゾーン」には、そんな想いを込めましたとの説明もあり。若い故の不足気味なキャリアを逗子文化プラザホールで聴衆と共に養う。皆でアンサンブル弦楽曲を共有して共感する演奏会。

 アンコールに、タンゴ楽曲をパフォーマンス。素敵でした。

 それで終わりのホワイエに、とても穏やかな気持ちの人々が、至福の笑みを浮かべていました。ホール主催の人気イベント「若手シリーズ」の7番目。ステージ演奏家から「私たちは、それほど若くありませんから・・・」に会場から暖かい「エールの拍手」も沸き起こる。アンサンブルによる弦楽器の音色は亜麻色で、心に残る演奏会。慣れ親しまれた楽曲選び、特別編曲の披露と来場された編曲者への敬い溢れる御紹介。主催するホール・スタッフ・スキルの向上を、プログラム全体からも感じられました。逗子市文化施設のコアであり続けることのむずかしさ。美しさと哀しみもある音楽を皆で共感・共有していくホールの舞台パフォーマンス。それで演奏会後のホワイエ・ギャラリーをも含む全ての中に志の熱いホール・スタッフと質の高いアーティストそして音楽を愛するオーディエンスがいました。演奏経験のある逗子市内外アーティストからとても評判の良い逗子文化プラザ・さざなみホールを満席にするプログラムでした、という言葉でレビューを終わらさせていただきます。

ボランティアライター 長坂祐司

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 本当にいい雰囲気のコンサートだった。同じ出身校の演奏家がタッグを組んで、学び舎の校風を思わせる温かい会場を作り出していた。

 開演10分前にはたくさんのお客様が着席していて、並びの席を見つけるのが難しいほど。                    

 少し緊張した表情で登場した彼女たち。1曲目の演奏が終わったときのホッとしたような笑顔が控えめにキラキラしていた。

 5人が順番に司会を務め、曲紹介だけでなく、奏者それぞれの思いも交えながらプログラムが進む。中でも、2曲のメドレーが、選曲も演奏も印象に残った。

 ひとつは、≪日本の四季≫。春夏秋冬、各2曲ずつで構成されていた。春⇒チェロで始まる落ち着いた“早春賦”~ 軽快なアレンジの“朧月夜”。夏⇒“夏は来ぬ”~“われは海の子”。秋⇒弦のハーモニーが美しい“もみじ”~“赤とんぼ”。冬⇒里山の情緒たっぷりの“ゆきやこんこ”~“お正月”。日本の四季の良さがぎゅっと詰まった宝箱のようなメドレーだ。会場の多くの方が心の中で口ずさんでいたのではないだろうか。

 もう一つは≪映画音楽メドレー≫。“サウンドオブミュージック”、“ニューシネマパラダイス”、“パイレーツオブカリビアン”など、曲調がバラエティに富んでいた。ピアノも弦も、のびのびとしていて、力強くこちらに迫ってくるような演奏だった。

 アーティストからのメッセージに、「サロンで音楽を楽しむような、アットホームな時間をお届けすることができたら幸いです。」とあったが、まさにそんな時間を過ごす事ができた。休憩中にお隣の方と少しお話をした。普段はそんなことはしないのに、そんな雰囲気だったのだ。

 メインプログラムのシューマンでは、5人とも懸命の演奏。練習中の思いを「自分が人を弾き辛くしていると感じる時があって、どうしたら弾きやすくできるか…」と話した奏者がいたが、そんな思いが見える、調和を目指し、ぶつかり合うような演奏だった。

 若さって素敵だな、応援したいなぁと月並みな感想も浮かんだが、パワーをもらったのは私のほうだ。聴いているあいだ、プラスの感情に満たされていた。

 この若手演奏家シリーズが長く続いていってほしいと思う。

ボランティアライター 深谷香

 

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