★イベントレポート『清塚信也×高井羅人 ピアノデュオコンサート「キヨヅカランド」』2019年1月19日(土)開催(2019年03月23日)

青栁様 三浦様

当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

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 (えっ、もうアンコール曲?)と思ったほど、時間がたつのが早かった。テレビなどでお馴染みの人気ピアニスト、清塚信也氏と彼の幼なじみである高井羅人氏のピアノデュオコンサートは、リラックスした雰囲気の中、清塚氏のソロ演奏から始まったが、そのテクニックの高さに驚かされた。

 たとえば、モーツァルトの《ピアノソナタ第14番 ハ短調 K.457 第1楽章》では、テンポのよい曲を1音1音乱れることなく弾きこなし、低音部、高音部でそれぞれ質の異なる音色を流れるように繰り出した。リストの《愛の夢》は、音の強弱や指のタッチの変化によって色彩豊かに仕上げ、これまで聞いた誰の演奏とも違っていた。ショパンの《英雄ポロネーズ》は、今回、最も力が入っていたように思う。輝くような張りと心地良い強さのある音を放ちながら、高度なテクニックを駆使した迫力ある演奏だった。優れているのはテクニックだけではない。ベートーヴェンの《ピアノソナタ 第14番「月光」》では、見事な表現力で、ピアノが1つのストーリーを歌っているかのように音を奏でた。

 もう1つ驚いたのは、清塚氏のトーク力。曲の合間での高井氏とのやりとりは、バラエティー番組でも通用しそうなほどのボケとツッコミぶり。場内は笑いに包まれ、その中で曲に関するエピソードなどをわかりやすく説明してくれる。それが演奏を聞く際、効果を発揮したことは言うまでもない。

 清塚氏が編曲や作曲をした作品も聞き応えがあった。中でも《チャルメン》(モンティの《チャルダッシュ》とビゼーの《カルメン》をミックスさせ編曲)、《Variation for DEVIL~Four Hands ver.~》、《agitato!》は、素晴らしいテクニックを存分に味わえるように作られていた。いずれも、ソロで優しく美しいピアノを聞かせくれた高井氏との連弾で、2人は激しく鍵盤を叩き、スピードを加速させていった。あの速さで、鍵盤さばきをピタリと合わせていたのは「ブラボー!」の一言。

 チケットはコンサート日の前に完売。実力と人気を兼ね備えた清塚氏と共演の高井氏の演奏を堪能させてもらった。演奏、作曲、編曲、おまけにトークまで、幾つもの才能を併せ持つ清塚氏に喝采!

情報発信ボランティアライター 青栁有美

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 「“キヨヅカランド”って、どんなコンサートだった?」って聞かれたら、「…少女漫画の世界だったよ…(ウットリ)」って答えるでしょう。なにせ、「ピアノの“王子さま”清塚信也様と謎のサラリーマンピアニスト高井羅人(ランド!)クンのピアノデュオコンサート」なんですから。清塚氏が、黒いコートをなびかせて颯爽と登場したとき、キラキラと全身に光の結晶が輝いて見えました。

 グランドピアノに着き、バッハの《主よ、人の望みの喜びよ》をさらっと弾いた途端、ズキュンと55歳のおっさんの胸が撃ち抜かれました。続いて登場した、細身のブラックスーツに“メガネ男子”の高井氏。饒舌な清塚氏に対し、言葉少なでオドオドした雰囲気が母性本能をくすぐる感じ。でも、バッハの息子(C.P.E バッハ)の《ピアノソナタ ロ短調Wq.55/3「カンタービレ」》を繊細かつ切ないタッチで弾き上げると、完全に客席の心(ハート)を掴みました。

 曲の合間のトークでは、清塚氏が高井氏に「楽譜を見ないと弾けないの?」等、終始上から目線のSっ気な物言い。対する高井氏は、怒るでもなく「へへへ」と“苛められキャラ”…かと思いきや、ジェスチャーで譜面をめくるよう頼むなど、意外に図々しい態度で笑いを誘います。こんなやりとりが、乙女心をくすぐるんですね(当方、おっさんですが)。

 それで、ピアノ。清塚氏がモーツァルトの《ピアノソナタ 第14番ハ短調 K.457 第1楽章》をドラマチックに弾けば、高井氏はクレメンティ《ソナチネ ハ長調 Op.36-1 第1楽章》を、可愛く弾むように奏でる。トークから一転して、真剣な演奏とのギャップが、音楽の素晴らしさを際立たます。清塚氏はベートーヴェン《月光》、リスト《愛の夢》、ショパン《英雄ポロネーズ》と重厚でロマンティックかつ派手目な曲を、高井氏はメンデルスゾーン《春の歌》やシューマン《飛翔》といった地味目だけれどしっかり劇的な曲を選び、持ち味を披露してくれました。

 後半は、お待ちかねの連弾。《チャルメン》はモンティの《チャルダッシュ》とビゼーの《カルメン》の合体曲。おなじみの曲が入れ替わり、奏者も入れ替わり、息の合った、見ても聴いても楽しい曲。「コウノドリ」のメインテーマ《Baby,God Bless You》は、ドラマの透明感溢れる映像が蘇る、しっとりと心に沁みる調べ。アンコールは、写真・動画撮影OKの大サービス。曲も、名曲の数々をパッチワーク。《ドレミの歌》、《結婚行進曲》、《スティングのテーマ》etc. ふたりで熱の入ったピアノバトル!若さ溢れるセッションで幕を閉じました。熱気に当てられ、紅潮した我がほっぺ。

情報発信ボランティアライター 三浦俊哉

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