★イベントレポート「さざなみ亭落語会 三遊亭わん丈&みんなで創る落語会 其の二」2018年10月6日(土)開催

佐々木様三浦様

当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

***************************************************

 台風が過ぎ10月の三連休の始まりは天気がよく、とても晴れやかである。受け付けを済ませるとホール関係者からお饅頭が配られていて顔がほころぶ。来場者は子どもから大人まで100人前後である。

 出囃子が流れてきて前座を務めたのは桃月庵ひしもちである。演目は「子ほめ」である。優しい顔でニコニコしながら約15分の落語で終わり、お待ちかねの三遊亭わん丈が高座に上がる。

 落語噺を始める前に子どもを舞台に上げて落語の仕草とはなんであるかを分かりやすく説明してくれたり、わん丈の身の上話、前座から二ツ目昇進話、逗子に来た時の話をして会場内は笑いの渦でつつまれる。

 事前に五つある演目から投票の多かった演目を話すことになっており、選ばれたのは「権助魚」という演目である。とてもテンポよく面白い噺で来場者も聞き入っていた。15分の仲入りをはさんで、客席から10のお題を出してもらい、その中から3つのお題をつなげて落語噺をするという即興落語だ。3つのお題は関係性がないがとても面白く噺がつながっていて会場内は、拍手と笑い声でいっぱいとなった。

 終演近くなり、最後の演目は古典落語の「五貫裁き」である。この噺は、お金を粗末にした事によって主人公とその大家が大金を質屋に払う事になり主人公が質屋に毎朝、早く少しずつのお金を返す事によって安眠できなくなって質屋の身体が参ってしまう。その結果、示談を提案された主人公と大家は示談して元手のお金より多くお金を手に入れたという噺である。来場者は、聞き漏らすまいと真剣に噺を聞いていた。

 落語会が終わりいただいたパンフレットに抽選番号が書いてあり、番号が当たった人は三遊亭わん丈のサイン入り色紙がもらえるというおまけつきである。このさざなみ亭落語会は、落語を知らない人、落語を堅苦しく思っている人関係なく楽しめる。次回は是非、足を運んでみてはいかがと思う。

ボランティアライター 佐々木一弘

***************************************************

 私見ですが、落語家さんは2つのタイプに分かれます。「ぬーっとした人」と「シュッとした人」。濃い喋り口と、軽快でキレのある喋り口の違いといいますか…。

 さて、本日は、こじんまりしたさざなみホールで二ツ目「三遊亭わん丈」さんの落語会。土曜日の昼下がり。受付にて、お饅頭がいただけるという粋な計らい。

 出囃子にのって、前座の桃月庵(とうげつあん)ひしもちさんが登場。若い。細い。大丈夫か? でも、口を開くと意外に「ぬーっ」系。演目は「子ほめ」。熊公が、人をほめてタダ酒をもらおうと、ご隠居から教わった術を実践するも、一歳の赤ん坊に「若いねえ。とても一歳には見えない」なんて、頓珍漢なお世辞を言って自爆するというオチ。無難にこなし、座を温めました。

 続いて、主役の「わん丈」さん登場。前職はバンドのヴォーカルだけあって、顔つきと髪型は柔和なパンクロッカーといった風情。口を開けば、完全に「シュッ」系。歯切れの良い口跡と、軽やかな身のこなしが爽やか。

  一席目は、事前に5つの演目から人気投票を行い、1位になった「権助魚」。旦那の浮気を疑う奥さんが、使用人の権助に一円を渡してスパイをさせるが、旦那が、二円を渡して寝返らせる。釣りにいったことにして、買った魚をお土産に、権助を先に帰らせる。奥さんは「こんな魚が、関東で一円で釣れるはず無いでしょう?」。権助は「一円でなく、二円で釣られた」と口を滑らせるオチ。登場人物のみんなが明るくて元気なのがいいですね。

 二席目は、会場からお題をつのり、ジャンケンで勝った3人のお題を使って、15分の休憩の間に噺を作るという即興三題噺。「披露山」「貴乃花引退」「小坪小学校」が選ばれた。できた噺は…毎年、妻の誕生日を忘れる夫。妻が「貴乃花が引退した日」と言っても夫はわからない。しまいに「あなたと同じ日よ!」と教えるも、「俺の誕生日っていつだっけ?」と情けないオチ。結局9題を盛り込むという離れ業をやってのけてくれました。

 最後は古典の「五貫裁き」。大店の旦那が、一文を惜しんだために、最終的に二十両を損してしまうという、ご存知“大岡越前の大岡さばき”。わん丈さんのテンポよい“口さばき”に乗せられて、一気に聴きました。わん丈さんには、ここ逗子の“さざなみ”で腕を磨いて、いずれ大波に乗って世に羽ばたき、いつか“なぎさ”で一席披露してくれる日を楽しみにしてます。

ボランティアライター 三浦俊哉

***************************************************