★イベントレポート「人形浄瑠璃文楽 逗子公演」2016年8月27日(土)開催

レポート

 

 

 

 

 

 

 

 

当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

公演当日8月27日は生憎の雨天。しのぎやすく、夏の終わりを感じさせる。夏休み期間ではあるが、子どもの姿は思ったより少ない。幾分年齢層が高めで、やや女性が多い印象だ。
機会がなく人形浄瑠璃は初めて。子どもの頃NHKで放送していた連続人形劇に夢中だったことを思い出し、ちょっとワクワクする。演目は「伊達娘恋緋鹿子~火の見櫓の段~(だてむすめこいのひがのこ~ひのみやぐらのだん~)」、「牛若丸・弁慶 五条橋」の二幕。合間に、太夫・三味線の解説、人形の解説と体験が挟まる。今回逗子文化プラザホールでは初めての文楽公演ということで、初心者にもわかりやすい構成とのこと。「伊達娘恋緋鹿子~火の見櫓の段~」は娘お七が恋人の刀を届けようと、夜間閉じてしまう江戸の町の門を開く為火の見櫓の鐘を叩く。黒子の口上から始まるのが新鮮。人形の全身が見えず、なかなか人形に集中できない。見どころは、火の見櫓を人形だけが髪を振り乱し登って行くシーン。人形の全身が見え、姿の美しさが際立つ。人形はパーツごとに保管されており、人形使いが公演の役に合せて都度拵えるとか。娘らしく若々しい色合いの着物が可愛い。合間に太夫の声色の演じ分け、三味線の効果音、人形遣いの役割など、とてもわかりやすい解説が入る。人形遣いが頭を僅かに動かすだけで瞬間命を感じるのが面白い。足はなく、あの女らしい足の動きは足の担当の方の手で表現されている。男の人形は力強い足を持っており、空中をがっしりと歩く様子は歌舞伎のようだ。次の演目、「牛若丸・弁慶 五条橋」はアクションが主体。華奢な牛若丸でも足はしっかりとある。初心者には動きが分かりづらかったが最後の肩に乗るポーズが決まると思わず拍手してしまった。少し慣れが必要かもしれないが、とても趣きのある公演だった。何度も観てその深みを堪能したいと感じた。

情報発信ボランティア 蓬田ひろみ

待ちに待った文楽の公演。会場は私も含め年齢層高め。いつだったか文化プラザホールのアンケートに「文楽が見たい」と書いたことがあったが、なんと!実現した。出演者は大阪からいらした文楽協会の皆さん。初心者に優しいプログラムを用意して下さっていた。いきなり長い上演にチャレンジするのは勇気がいるが、今日は有名どころの演目を短めに2作品上演し、あとは演者の各役割をたっぷり説明していただけるというプログラムだ。まずは一演目鑑賞して、解説や人形遣い体験を挟んで、更にもう一演目という構成だった。超初心者の感想となるが、一体の人形に三人も人がついたらゴチャゴチャしないかと思っていたが、足遣いの黒衣さんはほとんど見えないし(ずっと中腰で大変そうだけれど)、人形遣いの存在は意外と気にならないとわかった。また、絶対に後ろ姿を見せないわけではないことも知った。太夫の詞章だけが語りではなく、三味線もまた音色で芝居をしていると教わった。そして、何より人形ならではの表現がよりリアルに感じる瞬間があることを体感できた。文楽の美味しいとこ取りをしたような素敵なプログラムだった。ホール作成の『ズシッと文楽』という小冊子も解りやすいので、まだチラシ棚にあればお手にとって見てはいかがでしょうか。

情報発信ボランティア 深谷香