★イベントレポート「NiM2 Live in 逗子文化プラザなぎさホール~ONE HEART,ONE ZUSHI~」2018年9月30日(日)開催

海原様 佐々木様 三浦様

青栁様福岡様

当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

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 雰囲気が何かに似ている。

 そうだ、大学祭音楽イベント会場の香りがする。客席は若い人が多くみられる。

 出演者は市の観光PR隊を務める「NiM2」24歳の同級生NAOYUKIとMASAのシンガーソングライターユニット。元気いっぱいにステージに登場する。まるで台風接近を吹き飛ばすようにして(本当に大型台風の接近が遅れ雨に降られなかった)、声を出し全身でかけまわり客席をステージに巻き込んでいく。これだけで、なぜか心が浮き浮きしてくる。以前、東京銀座の某名門企業が「晴れの日の」という言葉を使っていた。まさにこのキャッチコピーがマッチしたようなユニットだ。

 ノリノリの演奏、ソロを交えて続ける。気分はどんどん高揚してきて気持ちいい。曲名《灯火》も曲想は華やかだが、73年前の沖縄戦の悲惨さを心のなかにうつしだして、平和を祈るメッセージを感じた。ステージではT2 KIDS小笠原学園、ユキダンススクールの子どもたちが参加して、キレよく可愛らしいステージを作りあげる。

 ゲストとして、沖縄出身の東風平高根氏が三線を手に登場した。哀らしい音感の楽器と思っていた三線。とんでもない、同氏の演奏はきれいな繊細さとパフォーマンスが迫力満点でダイナミックだ。558席のなぎさホールが東京ドームのように大きくなったようだ。
 最後は、オリジナル曲《逗子海岸》。毎日みても飽きない海、宝もの。
 波に身を任せ、青い空を見上げて口ずさんでみようかなと。
 地方に出張すると「鎌倉の隣の町」ですと答える。意外にも東京でのパーティなどでも「どちらからいらしゃいました?」と聞かれたときに、同様の答えをしないと「逗子」では通じないことが多い。東京に住んでいる娘は「逗子出身よ」というと友達たちに「ワー素敵!」と羨ましがられるそうだ。きっと世代の違いだろうか。
 「NiM2」には心惹かれる曲とともに逗子の魅力を全国に届けて欲しいものだ。

ボランティアライター 海原弘之

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 会場に入るとステージにはギター等の楽器とSUP?!「普通、ライブのステージにSUP置かないよね。」と驚きのあまり心の中で呟いた。さすが、逗子観光PR隊に任命されている彼らの演出、もうそれだけで十分に“逗子感”が出ている。観客も至るところで互いに会釈をしたり、手を振り合ったり、とローカル感一杯の温かな雰囲気だ。筆者も知り合いを見つけ、小さく手を振った。

 ビデオの映像に笑いの起こる会場、観客の大きな拍手に迎えられ、二人が登場。ノリの良い1曲目でスタートだ。キッズやパパ、ママはもちろん、ご年配の方々も立ち上がって、歌詞に合わせた波の動きで右へ左へ、彼らのパフォーマンスへと引き込まれて行く。

 《灯火》では、地元のダンスチームT2 KIDS小笠原学園とコラボ。そして交流の深い逗子在住のアーチスト東風平高根さんのゲスト出演。人と人との繋がりをエネルギーに変えていく、そんなステージが続いた。

 休憩を挟み、彼らの夢でもあったバンドを率いての後半。生の演奏により迫力が増す。《「共に生きる」夢》この曲は完全なアカペラから始まるのだが、ハーモニーも音程も全くぶれず、のびのびと場内へ響き渡っていく、観客が息を呑んだ瞬間だ。 その歌声に凪いでからの、バンドの音、胸を射抜くかのような衝撃を受ける。彼らの歌唱力、美しいハーモニーあってのコントラストである。

 今までにない規模でのワンマンライブ、弾き語りでのそれぞれのソロ、挑戦への大きなプレッシャー。最後にこのライブにかける思いと今日までの不安を語るうちに、思わず涙をこぼしてしまったNAOYUKI。そんな彼らのひたむきさがひしひしと伝わるからこそ、一曲一曲に心を動かされるのだ。笑顔と温かい眼差しに溢れた会場が何よりの証拠であろう。

 さあ、フィナーレ。ステージに揃った全ての共演者、立ち上がり拍手を贈る観客、みんなが一つになっていく。

 《ONE HEART,ONE ZUSHI》そこから、もっと大きなものへと期待が膨らむ、そんなステージであった。

ボランティアライター 佐々木安弥

 

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 NiM2(エヌアイエムツー)は、20代半ばの男性2人組ボーカルユニット。地元、逗子市立久木中学校の同級生。娘の先輩だ。それだけで、保護者感情がわく。同じような気持ちの観客が多かったような気がする。(しっかり歌えるかしら)(大きくなって…)、そんな表情の“お母さん”たちが、ペンライトを小さく振って、声援を送る姿が微笑ましかった。そして、ステージ上の“息子”たちは、とても一生懸命で、健気だった。変にカッコつけたり、斜に構えたりしないところが好感が持てた。オリジナル中心に、前半は2人だけ、後半は生バンド4人を従えての歌唱。アップテンポの曲が最初と最後で、中盤はスローなバラードが多かった。

 恋とか、波とか、夏の終わりとか、くじけそうになってもとか、ちょっと上滑りした歌詞やメロディーラインがあったけれど、これから人生経験を積んで、こなれていけばいい。それより、《「共に生きる」夢》で被災地の人々にエールを送ったり、《夢花火》で逗子花火大会の存続を呼びかけたり、その社会に向けて歌う姿勢を良しとしたい。“保護者”の1人としてそう思った。

 ゲスト出演した沖縄出身の大先輩、東風平高根(こちひら たかね)さんの三線(さんしん)は心に沁みた。これが平和の歌なのだろう、愛の歌なのだろう。彼もまた、若い2人の“保護者”として、歌手のあり方を示してくれた。

 できれば彼らには今後、《ONE HEART,ONE ZUSHI》や《逗子海岸》のような歌路線で進んで欲しい。それは、つまり、思いっきり“逗子ローカル”な歌で、逗子を強力に日本に、世界にアピールして欲しい。だって、そんな歌、少ないんだから、きっと売りになる。個性になる。そして、親孝行にもなる…。

ボランティアライター 三浦俊哉

 

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 逗子市出身のボーカルユニットNiM2(エヌアイエムツー)のNAOYUKIとMASAが逗子文化プラザホールに登場。あいにく、台風24号が近づいていて、影響が心配される中、ライブが始まった。外は雲行きが怪しくなり、雨がパラつき始めていたが、ステージ上は良く晴れた夏の逗子海岸の明るい雰囲気。湘南を感じさせるサーフボードや、南国風の木のオブジェが置かれている。観客席では若い世代を中心に、高齢の方や小さな子どもたちが開演時間を待っている。

 14時。ステージ正面にスクリーンが映し出され、そこからNiM2が挨拶。続いて2人が実際にステージに登場し、《SHAKUNETSU》を披露。ノリのいい曲で、観客は最初から盛り上がる。

 勢いのある曲を聞かせたかと思うと、一転して素朴な曲調にピュアな心情をうたった《合言葉》やロマンチックなメロディがステキだった《あなたへ》で会場内の雰囲気を変え、皆が静かに耳を傾けた。

 更に、《灯火》では、T2 KIDS 小笠原学園(ダンスチーム)の子どもたちとコラボし、世界平和を歌った。柔らかな曲に2人の美しいハーモニーがのり、T2 KIDSの子どもたちが笑顔で踊る姿に、平和の尊さを感じた。

 ゲストは沖縄出身の東風平高根。彼が弾く三線の音にも、張りのある歌声にもしびれる。ノリ良し、テンポ良し、魅力的な節回しにトークも楽しく、観客は大いに沸いた。

 休憩をはさんで後半は、スペシャルサポーター(ギター・鈴木裕基、ベース・鈴木健市、キーボード・濱田竜司、ドラム・高橋遥平)も入って、アップテンポからメロディアスな曲まで次々と熱唱してくれた。

 アンコールの最後《逗子海岸》は、ステージに東風平高根、ユキダンススクール、T2 KIDS 小笠原学園の皆も参加して、歌い、踊り、観客も一緒になって声をかけ、手拍子をし、大いに盛り上がった。この曲は明るいが、故郷を歌うとき独特の素朴さと懐かしさを感じ、逗子でのライブのラストにふさわしい余韻が残った。

 2013年に活動を開始したという若い2人。歌にも曲にも、これからますます磨きがかかっていくだろう。更に魅力的なミュージシャンとして、再び逗子文化プラザなぎさホールの舞台に立ってほしい。

ボランティアライター 青栁有美

 

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 酷暑の夏がようやく過ぎたとは言え、まだ秋雨前線の影響で何となく蒸し暑い日曜日の昼下がり、逗子なぎさホールに出かけた。

 荒天のせいで、ちょっとお客さんの出足はわるそう。

 今日は、逗子街おこしに一役買っているシンガーソングライター若者2人組、NAOYUKIとMASA - `NiM2`のコンサート。 2人とも逗子の出身ということで、まさに地産地消のイベントだ。舞台にはヤシの木、パドルボートも飾られて、逗子海岸の雰囲気が良く漂った演出だ。天気が良ければ、野外コンサートでも盛り上がっただろう。

 出だしは、オリジナル曲《合言葉》、《あなたへ》で始まる。この《あなたへ》は、J:COMの企画でYouTube再生回数1位になったヒット曲だ。

 次は《灯火》で平和を愛し2度と戦争を繰り返したくないという想いがよく伝わる。

T2KIDS小笠原学園の小学生女子14人の健気なダンスもよく歌を引き立たせる。MASAのキーボードでのソロの弾き語りNAOYUKIのウクレレ演奏で夏の終わりにふさわしい《夏の花》と続く。

 盛り上がったのは、メインゲストの東風平高根(Takane Kochihira) による三線の演奏で《相思樹の願い》だ。沖縄出身、逗子在住。平和への願いそして背後にはひめゆりの塔が隠れて見える。三線の音色と歌声が心に沁みこむ。東風平は若者2人の兄貴分として、彼らの音楽活動を暖かく見守っているようだ。

 キーボード、ドラム、エレキギター、ベースそれぞれのプロが2人の応援に駆けつけ、コンサートの中盤を盛り上げる。

 5年間活動してきたひとつの締めくくりとして、観客も一緒に《ONE HEART,ONE ZUSHI》の大合唱で幕となった。

 暑かった夏の最後に、心を癒す優しい歌声と楽器の音色に魅了された。荒天の中、足を運んだ観客は満足そうに見えた。

ボランティアライター 福岡伸行