登壇者トーク: テーマセッション1「開館時を振り返る」
元 逗子文化プラザ担当理事 松下 洋一郎様
テーマセッション1:松下様
ホールができる前の話から、完成に至るまでの経緯、そしてオープニング事業へとつながるところをお話しします。
当時から旧図書館ホールの老朽化とバリアフリー上の問題から「これらに対応できる新しいホールをつくってほしい」という声がずっとありました。実際、私自身もそのホールを使ったことがあり、4階まで階段を上がるのも大変で、また狭いなど課題が多かったのを覚えています。
これまでの経過を振り返ると、歴代の市長を始めそれぞれの立場の方々が尽力され、長い年月をかけてこの建物ができあがったと改めて感じます。平成元年に整備基金ができ、平成3年には学識者による提言、平成8年には文化教育施設の基本構想策定委員会が立ち上り、平成9年の報告を受け旧体育館跡地を活用する形で現在の場所に建てる方向性が決まりました。ただ、この時点では現在より規模が大きく、総事業費も100億円ほどとなり財政の壁が大きく、何度も検討と見直しが行われました。市民会議やオープンミーティングも十数回開かれ、建物を4階にするか3階にするか、温水プールを作るかどうか、駐車場の規模、ホールの高さまで、本当にたくさんの意見が交わされました。最終的に、今の規模と構造に落ち着き、平成14年から建設が始まりました。
当時は職員も徹夜で資料をまとめたり、市民の声を集めて分析したり、本当に大変でしたが、今振り返ると「よくできたな」と思います。最初は市の直営で運営を始めましたが、行政の会計の仕組みがホール事業運営には合わず、事業協会を設立して柔軟に動ける体制を整えました。その後、指定管理制度が始まり、現在のように民間のノウハウを生かした運営ができるようになりました。今ではとても使いやすいホールだと感じています。
オープニングを迎えるにあたっては市民の皆さんと一緒に何度も会議を重ねました。その結果、逗子にゆかりのある松任谷正隆さんや由実さんが記念式典に来てくださったり、市民の提案で「なぎさブラス」というホールを拠点にする一流ブラス奏者によるアンサンブル(現在も活動は続いています)が誕生するなど、市民に運営参加してもらう中で地域全体が一つになった多くの活動が行われました。
このようにこのホールのスタートには、たくさんの市民の力をいただきましたし、その後の運営も市民の協力で支えられてきたと思います。今は私自身も市民の立場で、事業を実施したり、演奏を楽しんだりしています。苦労も多かったですが、改めて「いいホールができてよかったな」と心から思います。
そして、このホールがこれからも、市民の皆さんの活動や文化の発信の場として、末長く愛されていくことを願っています。
建設時のようす
開館式典のようす(2005年6月19日)


