★イベントレポート「NAOTO×柏木広樹×清塚信也 アコースティック・トリオ」2017年1月7日(土)開催

0107アコースティックトリオ

 

 

 

 

 

 

 

 

当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

 

演奏活動で全国を飛び回り、TV番組の音楽を作り、時には映画やドラマに出演するなど、広く活躍するアーティスト3人が、ニューイヤーズスペシャルコンサートで協演した。昨年3月のNAOTOさんと清塚さんのデュオ公演の時には、すでに今回の公演も、柏木さんのご出演も決まっていたので、ずっと楽しみにしてきた。開演直前、大入りのホールがざわつくなか、ステージ裏から弦のチューニングが聞こえた。3人のオリジナル曲をふんだんに取り入れ、ピアソラとクライスラーを盛り込んだプログラム全12曲が、トリオ演奏とソロ演奏(+トーク)で展開していった。トリオ演奏ではアレンジされたてのフレッシュな音を堪能できた。柏木さんが清塚さんに旋律を渡すような仕草をされたのが素敵だった。そんな柏木さんの《2011(ニゼロイチイチ)》はあるコンサートで即興演奏したメロディーを書き起こしたもので“その年にあったことをすべて思い出す曲”だそうだ。一曲の間に色々な気分になった。もう一度じっくり聴きたい曲だ。清塚さんの演奏は《Agitato!》だけでなく全体的にアップテンポでアジタートに響いてきた。(はじ)かれる鍵盤の動きが照明に反射して壁に映る演出もよかった。NAOTOさんのヴァイオリンはポップスの彼を見たくなるような演奏だった。アカデミックに習得した技術と、研究した演奏方法で、生音のポップスを古典的(クラシック)に聴かせる好演だった。

ボランティアライター 深谷香

いわゆる若き貴公子たちのポピュラー音楽コンサート、満席の会場は大半がカジュアルな服装の若い女性、中には年配の婦人の姿も。細身でお洒落な青年が三人登場すると、ヴァイオリンのNAOTOさん作曲の軽快なテレビ番組のテーマ曲でスタート。金髪の彼が全体の進行をまとめていく。続いてチェロの柏木さんの《LIFE》。3人の音楽家たちのトークは肩の力が抜けて、まるで音大のサークルでのおしゃべりを聞いているようだ。前半は柏木さんのオリジナル曲が中心で、ここでなぎさホールの音響の素晴らしさに目を見張る。チェロの音色にゆったりと身を委ねるように聞き入った。休憩後はピアノの清塚さんがクラシックの魅力を語りつつ自作曲で弾丸のようで華やかな“鍵盤さばき”を見せ、観客を大いに沸かせる。続くNAOTOさんも負けじと技巧をこらしたオリジナル曲を披露、最後は観客も三人の奏者たちも一体となって楽しみながらのセッションとなり、観客の半数がリピーターという会場ならではの和気あいあいのコンサートだった。

ボランティアライター 不破理江